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2010-09-29 14:14 
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乳と卵[書評] [Book]

2010-09-27 17:52 
乳と卵」(2010年・文春文庫) 川上未映子・著

娘の緑子を連れて大阪から上京してきた姉でホステスの巻子。巻子は豊胸手術を受けることに取り憑かれている。緑子は言葉を発することを拒否し、ノートに言葉を書き連ねる。夏の3日間に展開される哀切なドラマは、身体と言葉の狂おしい交錯としての表現を極める。日本文学の風景を一夜にして変えてしまった、芥川賞受賞作。


またひとつ女性の秘密を垣間みた気がした一冊

タイトルが示すよう、まさに「女」が「女」を描いた作品。
ただし、その内容は僕の理解の範疇を遥かに超えて、
理解できるような理解できないような複雑な気持ちを残すこととなる。
女性であることに執拗にしがみつく母と、
女性として生まれてきたことに嫌悪感を抱き疑問を持つ娘。

僕が今まで出会ってきた小説のなかの登場人物には決して存在しなかった、
新しくリアルな女性像。

こんな感覚は「金原ひとみ」の文章を読んだ時にも感じたのだけど、
まさに、「乳と卵」女性の生理が言葉を紡いだとしか思うことができない。
そんな僕の予想をよそに、世の女性達はもっともっと恐ろしい表現力を隠しているだけなのかもしれない。
自分のテリトリーで狩りを行う女性ほど手強いものはない。
改めて女性に対して敬意を覚えた。


ちなみに著者のブログ 【純粋悲性批判】
本書と同じくダラダラと面白い。
やはり関西弁が和むのだろうか・・・?
他の本もこぞって読んでみます。

案外、買い物好き[書評] [Book]

2010-09-12 23:43 
案外、買い物好き」(2010年・幻冬舎文庫) 村上龍著

なんと24歳で初めてネクタイをしめたという村上龍が、イタリアでシャツに目覚めた。ミラノローマ、ハバナ、ソウル上海。神出鬼没に買い物道を驀進する!
思わず噴き出す痛快エッセイ


豪遊の象徴だった彼は、意外と小市民だった。

十代から二十代にかけて、ことごとく読みふけった彼の作品。
現在の僕の、男らしくもロマンチックで面倒臭い人格形成に、
多大の影響を与えていると思われる。

「買い物」をテーマに綴られた本エッセイは、
「どこどこのスイートでロマネコンティでムニャムニャ」みたいな、
読み手を少しイラッとさせるような描写はなく、
ひとつの買い物に真剣に悩んでしまうような可愛らしさが伺える。
とはいえ、シャツを一度に30枚も購入してしまうところは、やはり浮世離れした村上龍ならでは。

毎日普遍的に行われる「買い物」という行為。
このようにロジカルに行動を整理することにより、
様々なことが伺い知れるのだなと新鮮な気持ちで読み終えた。

他愛のない「買い物」も緊張感を持ち、
手に入れた気持ちをいつまでも大切にすることは、人生を豊かにするのではないだろうか?
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